第3回 DJ Shadow、サニーデイ・サービス
2006/11/17 | タグ:DJ Shadow DJシャドウ サニーデイ・サービス 曽我部恵一
こちらのコーナーでは、OOPS!編集部員が、〈10年前にリリースされたCD〉をネタに、思い出話をとりとめもなく話していきます。当時流行ったジャンルや時代を飾ったアーティスト、その他もろもろのキーワードを放り込み、雑談ライクにこの10年の音楽シーンをぼんやりと総括&再検証いたします。
原田最近、雑誌でよく90年代特集してるよね。○○年代というのは中盤からはじまるって誰かが言ってたけど、ようやく00年代を実感するようになってきたってことなのかな?でも、そのスタートが〈90年代を振り返る〉だっていうのはなんか暗い話のような気もするけどね。
澤田むしろ、00年代を実感する前に90年代リヴァイヴァルになっちゃってますよね。テクノ~ハウス界隈では〈アーリー90's〉が盛り上がりつつあるし、ヒップホップも90年代のものがガンガン再発されてる。
原田自分らも同じようなことやっといて偉そうなことは言えないけれど。昔話のほうが楽しいってムードとは違うものが出せたらいいなぁ……いまのところ出せてないよね。がんばりましょう。
■DJ Shadow 『Endtroducing...』
澤田最初はDJシャドウの『Endtroducing...』にしましょう。これはちょっと遅れて聴いたんですけど、10年経っていまだに聴いている盤なんです。そういうアルバムってほかにはないんですよ。
原田当然俺も遅かった(笑)。ヒップホップを全然聴いてこなかったから、いまだに黒人の悪い人がやっているおっかない音楽というイメージを持っているんだよ。でもこれは冷めている感覚があって、すんなり受け入れることができた。当時の括られかたとしては、トリップホップだったの?
澤田そうですね。この頃ってMO'WAXレーベルがすごく元気な時期でしたよね。『HEADZ』っていうコンピで、オウテカやナイトメアズ・オン・ワックスなんかをヒップホップとして提示したり、日本のメジャー・フォースの音源を再発したり、〈こういうヒップホップもあるよ〉という紹介をすごく積極的にしていた。それがトリップホップとかアブストラクトとか呼ばれるムーヴメントに結びついたと思うんだけど、その中心にいたのがDJシャドウだった。『Endtroducing...』は、シングルごとに話題を巻き起こしていたシャドウが、満を持して発表した初アルバムでした。
原田じゃあ、これはムーヴメント的にも、シャドウという一アーティストにとっても、盛り上がりの角度がもっとも上向きの時期に出た作品なわけだ。俺はずいぶん最近までこれがいかにヒップホップ的なアルバムであるのかとか、それを白人が作ったことの意味なんて考えたこともなかった。今にして思うと、やっぱり白人的な要素がある作品だからすんなり入っていけたのかなくらいは思うんだけれど。
澤田このアルバムが変わっているのは、サンプルのソースがロックてことですよね。プログレやサイケのレア盤なんかから持ってきている。そういうのって今だにあんまりなくて、もっとほかにもあっていいと思うんですけどね。これが出た当時はテクノのリスナーも受け入れた。それがよくわからないんです。そんなにテクノ的な内容ではないですよね。ジャケットはヒップホップ・カルチャーを象徴するようなものだし。
原田外側にいる人がどうやってこの盤にたどり着いたのかに興味があるってことだよね。俺がまさにそのサンプルになりそうな気がするんだけど、これを知った経緯は憶えていない(笑)。同じトリップホップで括られていたポーティスヘッドを聴いてからだったのかなぁ。セイバーズ・オブ・パラダイスとかとひっくるめて〈新しいものです〉って紹介されて聴いたのかもしれない。
澤田トリップホップやアブストラクトって、もはや〈なかったこと〉にされてるけど、良いものもいっぱいあったと思うんですけどね。とはいえ、どんな作品があったか、パッと思い出せないのも確か。そういう線の細い感じが駄目なのかな……。シャドウは生き残ったけど、『Endtroducing...』みたいなアルバムは二度と作らなかった。新作は、意図的に〈メジャーなヒップホップ〉を目指したものでしたし。























