第2回 フィッシュマンズ、High Llamas
2006/11/07 | タグ:Fishmans High Llamas ハイ・ラマズ フィッシュマンズ
こちらのコーナーでは、OOPS!編集部員が、〈10年前にリリースされたCD〉をネタに、思い出話をとりとめもなく話していきます。当時流行ったジャンルや時代を飾ったアーティスト、その他もろもろのキーワードを放り込み、雑談ライクにこの10年の音楽シーンをぼんやりと総括&再検証いたします。
澤田前回は、記念すべき連載1回目だというのに、取り上げたのはジョンスペとジェントル・ピープル。ちょっと地味すぎたんじゃないですか?
原田そういうのが大事なんじゃない。みんなが取り上げるものはもう語りつくされてるわけだから。誰も取り上げないけれど確かに存在したものを引っ張りあげて、誰かの記憶の奥をくすぐるようなことがやりたいんだよ、俺は!
澤田それはまあいいとしても、ジェントル・ピープルなんて二人とも聴いたことなかったですからね。ひどい! 今回はもうちょっと思い入れがあるものにしましょうよ。というわけで、まずはフィッシュマンズの『空中キャンプ』。
■フィッシュマンズ『空中キャンプ』
原田俺、これ当時は聴いてないんだ。この年は〈ナチュラル・ハイ '96〉っていうフェスがあって、フィッシュマンズはそれに出ていたんだよね。当時の日本のエッジーなものを集めたみたいなイベント。我々は偶然2人とも行ってたわけだけど(笑)。
澤田あのイベントは象徴的でしたよね。このころまでは〈ナチュラル・ハイ〉に出ていたアーティストの音楽を、みんな一緒くたに聴いていたけれど、このあとで分散したような気がする。「サイケデリック・ワンダーランドへようこそ」って書かれていた看板は伝説になった(笑)。
原田『空中キャンプ』と『ロングシーズン』はどっちが好きだった?
澤田『空中キャンプ』です。「ナイトクルージング」のCMをTVKで見て、ものすごい衝撃を受けたんです。でも買わなかった。当時は邦楽ロックの歌謡曲ぽい感じがすごい苦手で、日本のものを買うのはとにかく慎重になってたんですよ。でも〈ナチュラル・ハイ〉で初めてライヴを見て、やっぱりいいなと思ってようやく買ったんです。死ぬほど聴きましたね。その秋にフィッシュマンズが早稲田の学祭ライヴに出たんですけど、学校をさぼって見に行きました。
原田でも『空中キャンプ』が出た当初はそんなに騒がれてなかったよね。
澤田フィッシュマンズ自体、一介の邦ロック・バンドでしかなかった。でも『ロングシーズン』が出るころには、もう「すごい!」みたいな評価になってた。
原田『ロングシーズン』は、1曲で45分っていう形態だから、音楽誌も評価を付けやすかったような気もする。
澤田『8月の現状』が出たときのインタビューで、『空中キャンプ』以降常に絶賛されるのが気持ち悪いって佐藤伸治が言ってましたね。あと当時は知らなかったんですけど、『空中キャンプ』が出たあとから「エレキング」がすごい推してたんですよね。
原田外側のものを聴いていた人が一気に引っ張られた感じがある?
澤田自分がまさにそうですしね。トリップ・ホップとか音響系とかを引き合いに出されたりもしてました。
原田いまやダブ・ポップなんて言い方もあるけど、当時「ダブ」っていう言葉は若い人たちにそんなに浸透していなかったでしょ? ロッキング・オン・ジャパンを読んでいるリスナーに届いたのってフィッシュマンズの影響だったりするのかな。
澤田それはありますよね。今思えば、『空中キャンプ』を聴いた衝撃のうち、レゲエの要素っていうのは相当でかいと思うんです。独特のドラムの組み方とか、異様に音が少ないとか、ピアニカが入っているとか。そういうのって今考えれば全部レゲエの要素で。当時知らなかったですからね。
原田俺が10歳上の人と話すと、こだま和文で同じことを言ってるような(笑)。
澤田ただ、フィッシュマンズを聴いてそこからレゲエに入っていった人って、そんなに多くないような気もするんですけど。
























