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第1回 Jon Spencer Blues Explosion、Gentle Poeple

2006/10/25 | タグ:

 (かなり唐突ですが)新連載がスタート! こちらのコーナーでは、OOPS!編集部員が、〈10年前にリリースされたCD〉をネタに、思い出話をとりとめもなく話していきます。当時流行ったジャンルや時代を飾ったアーティスト、その他もろもろのキーワードを放り込み、雑談ライクにこの10年の音楽シーンをぼんやりと総括&再検証いたします。

原田まずなんでこの連載をスタートしようとしているのかを説明すると、ブログやYouTubeを見ると、昔話がものすごく多いんだよね。自分が若かったときに何を聴いていたのかとか、どういうものが流行っていたとか、どういうものとリンクしていたとか、そういう話はとにかく人気がある。懐かしがるブームっていうのはずーっと前からあったものだろうし、〈10年前〉である必要は全然ないんだけれど、俺もいいかげんおっさんになってきたからさ。「懐かしいなー」って言いたい(笑)。

澤田YouTubeを見ても思うっていうのはどういうこと?

原田YouTubeで「○○の若かったころの映像~」みたいなものの引きの強さはものすごい。あと、フリッパーズ・ギターとか、ラヴ・タンバリンズとか、ヴィーナス・ペーターなんかの再発は、当時買ってた人にまた買わせようとしているわけでしょ? それも同じようなものかなと思っていて。紙ジャケ再発で、〈持ってるCDをまた買う人たち〉をどちらかというと否定的に見ていた自分の世代が、レコード会社にもろにターゲットにされている(笑)。

澤田なるほど。

原田であれば、開き直って当時起こった現象みたいなものをキーワードを盛り込んで振り返ってみるのも面白いんじゃないかと。

――というわけで、当時大学1年生だったOOPS!編集部の原田と、当時高校3年生だった(同じく)OOPS!編集部の澤田が10年前のディスクを毎回適当にピックアップして、そのときの思い出を二人で語ってみようかと思います。

■Jon Spencer Blues Explosion『Now I Got Worry』

Jon Spencer Blues Explotion “2 Kinda Love”

原田1枚目はこれ。ジョンスペの『Now I Got Worry』。

澤田聴いてないですね……。僕が持っているのは銀色のジャケットのやつ。あれは1曲目が好きでしたね。

原田『Orange』だね。俺も『Orange』を聴いて、このバンドはかっこいいなーと思ってたんだよ。バカバカしさを追求しているんだけど、アウトプットの仕方がヒップっていうかさ。『Orange』のほうがエポックな作品なんだけど、その次に出たこれもかっこよかった。

澤田僕はこの時代のロックを全然聴いてないんですよ。当時は高校生だったけど、テクノばっかり買ってた時期だったので。『Orange』は小山田くんか誰か、非ロック的な人がレコメンしていたんです。あとリミックス盤も出てたじゃないですか。そっちは田中フミヤも薦めてたりして。

原田あー、ベックとかが参加している『Experimental Remixes』だ。あれもよかったんだよね。いわゆるロック・バンド的な価値観から外れていて面白かった。誰が参加してたんだっけ?

澤田えーと、プリンス・ポールアンクルウータンのジーニアス……あとジョン・オズワルドってカットアップの人でしたっけ?



原田カットアップなんだけど、剽窃音楽っていって、人の曲を勝手につないじゃう人(笑)。そんで狂った編集っぷりが話題になったというか。プランダーフォニックっていうジャンルみたいなものを作った。この参加メンツは面白いじゃん。時代がすごく出ているような気がする。

澤田で、そのリミックス・アルバムの次に出たのがこの作品なんですね。

原田まさにリミックス・アルバムを通過した音だった。基本的にはガレージ・ロックなんだけど、スッカスカの打ち込みの曲が入っていたり、ヒップホップ的なアプローチをしたりしている。

澤田ジョンスペって、当時はベックなんかと同じような扱いでしたよね。

原田ベック、Gラヴ、ジョンスペみたいな扱われ方をされていたと思う。古いものと新しいものをつなぎ合わせる作業をしたという評価だったんだよね。だから、90年代のとっちらかった感じを体現してきた人ではあるんだけど、今はそういう見方はされていない。ベックと比べても低い評価をされているし。

PUSSY GALORE “Dick Johnson”

澤田そうですね。ジョンスペとGラヴはずいぶん株が下がった感じがする。それから当時は、ジョンスペがすごいって言われている一方で、プッシー・ガロア派っていう人もいた。

原田あー、いたよね。キミドリとか中原昌也とか宇川直宏とか……。

澤田その後に活躍の場を広げていった人ばかりですね。

原田結構、ジョンスペの失速を象徴している話かも。とはいっても、彼らはまだまだ現役なわけだけど。

澤田カッティング・エッジな土俵からは降りた、てことですかね。それはそれで良いんじゃないでしょうか。別の捉え方ができるわけだし。


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